水道を供給したニュー・ リバー・ヘッドと干拓さ れたキャンベイ島
シティを歩けば 世界がみえる
• お 散 歩 編 •
17世紀初頭に発明された望遠鏡
潜水艇の処女 航海に立ち会 うジェームズ 1世
第300回
世界で初めて冷房を体験した英国の王様
今回の特集「セント・ジェームズ・パークの歴史、再 発見!」でお話ししました通り、湿地帯だった狩猟園の干 拓を指示したのはジェームズ1世でした。ジェームズ1世 は江戸幕府が開かれた1603年にイングランド王に戴冠 し、日英外交の幕を開け、オランダで発明された望遠鏡 を徳川家康に贈りました。望遠鏡を科学者ガリレオが天 文観測に使い始めた時期とほぼ同じころに入手するなど、 科学への探求心が旺盛な王様だったのでしょう。
また当時、シティの人口が増えて水道水が不足し、北 部の清流から水道を供給するニュー・リバー・ヘッドを 建設する際に、ジェームズ1世はそれを支援しました。ロ ンドン東部のテムズ川岸に高い堤防を築いて洪水を防 ぎ、テムズ河口のキャンベイ島を干拓して農地化にも努 めました。水道にせよ、堤防にせよ、干拓にせよ、ウォー ター・マネジメントの先進技術を持つオランダから知見 を取り寄せたことが成功の鍵でした。
オランダから招いた技術者の中にコーネリウス・ドレベ ル氏がいました。ドレベル氏はウォーター・マネジメント の知見だけでなく、複式顕微鏡や永久運動時計、鶏の孵 卵器、循環式噴水なども発明し、1620年には世界初の 潜水艇も造りました。潜水艦は、ウェストミンスターから グリニッジまでテムズ川を4メートルほど水面下に潜って 3時間も航行しましたが、ジェームズ1世はそれに同乗し たといわれています。
同年の夏の暑い日、ドレベル氏はウェストミンスター 寺院でジェームズ1世と宮延人を集め、冷房装置の実験 を行いました。硝石や塩を雪や氷に加えると、化学反応 により冷却効果が強まることを利用し、冷房装置を稼働 させたのです。すると、たちまち寺院の温度は急低下し、 参加者がガタガタ震えながら退散したそうです。当時、 気温が変わるのは神の恵みと考えられていたので、畏怖 の念からその場を立ち去ったのかもしれません。
「
寺院で冷房実験
17世紀半ばに清教徒革命が勃発
話は冒頭に戻ります。ジェームズ1世が狩猟園の干拓 に着手したのは、英国の土地を無益なまま荒廃させたり、 湿原地を放置したりしてはならないという王としての強い 意志でした。農業生産力を高め、王室の収入増加に資す るよう狩猟園や御猟林、そして全国の土地を開墾する政 策を推し進めたことが背景にありました。この政策を受 け継いだ息子のチャールズ1世も、さらに開墾を進めるた めに、新たな税や罰金を強引に導入しました。しかしそ れが人々の不満を招き、17世紀半ばの清教徒革命につ ながってしまいました。
シティ公認ガイド 寅七
『シティを歩けば世界がみえる』を訴え、 平日・銀行マン、週末・ガイドをしている うち、シティ・ドラゴンの模様がお腹に出 来てしまった寅年7月生まれのトラ猫
読者の声」募集!
あなたの英国生活での小さな発見、モヤモヤする悩み、誰かに聞いてほしいエピソードはありませんか?
本誌では、皆さまの投稿を紹介する「読者の声」のコーナー「From Readers」を新設予定です。
日常の気づき、子育て、職場のあれこれ、人間関係の不思議までなんでもOK。 ペンネーム可。匿名での掲載も対応します。
投稿 方法
「From Readers」と明記のうえ、メール・DMなどお好きな方法で、 下記までお送りください。お手紙での投稿も歓迎です。
※内容に応じて、編集・抜粋させていただく場合がありますので、あらかじめご了承ください。
@pickup_london_uk @newsdigest Eikoku News Digest Ltd. 85 Tottenham Court Road London W1T 4TQ
気になる街情報を お届けします
LONDON STREET
取材・文: Risa Kurihara
昼はカフェ、夜はバーで味わえる 絶品フォカッチャ 1 arcane.
日中はカフェ、そして金、土曜の夜はバーとい う二つの顔を持つお店。店内は落ち着いた雰 囲気で、時間がゆっくりと流れるのを感じる。 絶えず人が入ってきて、注文するのがフォカッ チャ・サンドイッチ。中でも店主お勧めのチキ ンとペスト・ソースは、オーダーが入ってから 揚げるサクサクの衣と、ジューシーなチキン が絶品だ。コーヒーも豆の香りが豊かで、バー で提供されるカクテル、エスプレッソ・マティー ニも試してみたくなる。
42 Devonshire Road W4 2HD
Tel: メールのみ受け付け arcane@arcane.london
月・火 7:00-16:00 水〜土7:00-11:00 日 8:00-18:00 www.arcane.london
照明器具のことならお任せ!
2 The Chiswick Lighting Company ランプや照明、電飾などの販売、修理、オーダーメイドを行う照明器具 専門店。店の前を通るだけで、所狭しと並ぶ照明器具の温かい光が目 に留まる。壁、天井、玄関や庭など家のあらゆる箇所で必要になる照明 のニーズに対応した品ぞろえ。特徴はスタッフの知識量で、修理や部 品交換が難しいとされるアンティーク照明器具でも相談を受ける。唯一 無二の特注品を希望する客にも対応可能だ。
30 Devonshire Road W4 2HD Tel: 020 8994 0543 月〜金 8:30-17:00 土 9:30-13:00 www.chiswicklightingcompany.co.uk
北欧カラーをワードローブに 3 Wild Swans
デンマーク出身のオーナーが営むこちらのセ レクト・ショップは、全てスカンジナビアン・ ブランドから買い付けている。店内には北欧 らしいアクセント・カラーが特徴的な衣類や ファッション小物が並び、親しみやすくおしゃ れな店員さんによるディスプレイにセンスが 光る。また、ワールドワイドに商品発送を行っ ているため、英国外に住む人にギフトを贈り たい際にも便利だ。
14 Devonshire Road W4 2HD
Tel: 020 8742 8555
月〜木 10:00-17:00 金・土 10:00-18:00
日 11:00-17:00
High Road
Borough of Hounslow
【アクセス】
地下鉄Turnham Green駅から 徒歩5分 Devonshire Road W4
濃厚なシチリアン・ジェラートに舌鼓 4 Duci
鮮やかなピスタチ・オグリーンの外観が目を引くジェ ラート店。シチリア語で「甘い」を意味するDuciの人気 メニューはシチリア産ピスタチオを使用した濃厚なジェ ラートと、筒状のパイ生地にリコッタ・チーズクリーム を詰めたお菓子、カンノーリだ。オーナーのお気に入りは、 店名にちなんで名付けられたジェラート「Duci」。シチリ ア名物のリコッタ・チーズの爽やかな酸味が癖になる、 チョコレート・チップ入りだが甘さ控えめの一品だそう。
8 Devonshire Road W4 2HD
Tel: 020 8994 5892
月〜木 12:30-21:00 金 12:30-21:30 土 11:30-21:30 @dunnocurated
「シティを歩けば世界がみえる」 を訴え、平日・銀行マン、週末・ ガイドをしているうち、シティ・ ドラゴンの模様がお腹に出来てし まった寅年7月生まれのトラ猫 シティ公認ガイド 寅七
300回記念
シティを歩けば 世界がみえる
特集号
ロンドンで最も古く、約500年の歴史を持つ王立公園
セント・ジェームズ・パークの歴史、 再発見!
Parkの語源はラテン語Parricus(囲まれた土地)で、中世のフ ランスでは王室が占有する狩猟園を意味しました。また、Forestの 語源はラテン語Forestis(慣習法の及ばない土地)で、これも王室 所有の御猟林を意味しました。1066年に仏ノルマンディー公国に 征服されたイングランドでは、先住民のゲルマン系民族が森林や畑 の共有地から追い出されました。一方、ノルマンディーの王室がそ こで狩猟を行い、利権の独占が続きました。長い時間をかけて狩猟 園は徐々に一般開放され、現在のロイヤル・パークに変わります。
今回の特集では、ロンドンで最も古く、約500年の歴史を持つセ ント・ジェームズ・パークの変遷を追いながら、いかにして狩猟園 が市民の公園に変わっていったのかを探ります。また、幾何学模様 のフランス式庭園から、囲いのない無限に広がる自然の風景を演出 する英国式風景庭園へと、どのように変わっていったのかを再発見 してみたいと思います。
「寅七ストレス・ボール」を 15名様にプレゼント!
締め切り
10月23日(木)午後6時 当選者の発表は、賞品の発送を もって代えさせていただきます。
「セント・ジェームズ・パークから見る旧ホース・ガーズとバンケティング・ハウス」 (1749年 カナレット作) セント・ジェームズ・パークからみたホース・ガーズ(2025年)
シティ公認ガイド寅七さんがロンドンの魅力を語 る弊誌の人気コラム、「シティを歩けば世界がみ える」の連載が300回を迎えました。これを記念 して本号には、番外編として特集「セント・ジェ ームズ・パークの歴史、再発見!」を掲載。さら に皆さまにお使いいただける、かわいい寅七のス トレス・ボール(サイズ約6.5センチ)もご用意し
ました。今回このストレス・ボールを、15名の 読者にプレゼントいたします。ご希望の方は英 国ニュースダイジェストのウェブサイトwww. news-digest.co.ukにある応 募フォームに、必要事項をご記入 のうえ、送信ください。たくさん のご応募をお待ちしております。
セント・ジェームズ・パーク の始まり (1532年~17世紀初頭)
1530年にウエストミンスター寺院の北側にある ヨーク公館を接収し、以降改築してホワイトホール 宮殿としたヘンリー8世は、32年にその北西部の 土地を購入し、柵で囲んで狩猟園にしました。これ がセント・ジェームズ・パークの始まりです。もと もとその場所には女性ハンセン病患者のためのセン ト・ジェームズ病院がありましたが、病院の跡地に 狩猟小屋を建て、後にセント・ジェームズ宮殿へと 姿を変えました。残りの土地は鹿狩りの場にしよう としましたが、湿地帯だったため子鹿の育成所とし て利用しました。
1603年、スコットランド王ジェームズ6世はイ ングランドと同君連合を結び、英国のジェームズ1 世として戴冠しロンドンにやって来ました。ジェー ムズ1世は着任早々、湿地帯だった狩猟園を干拓し、 植栽や開墾を進めました。それはセント・ジェーム ズ宮殿近くの土地を宮廷人に高い賃料でリースす る意図や、狩猟園内の農業生産を高める狙いがあっ たからです。
ジェームズ1世
中央にチャリング・クロス、左が狩猟園(1560年の地図)
セント・ジェームズ病院がセント・ジェームズ 宮殿に転じた
1 Episode 2
湿地帯が干拓された
現在も鳥たちの楽園 大きく育った黒桑(ブラック・マルベリー)
狩猟園の西端に作られたロザモンド池 牛乳販売所は20世紀初頭まで存在した
資産価値向上に向けた時代 (17世紀初~半ば)
ジェームズ1世は財政再建のため、狩猟園や御猟 林の有効活用を検討していました。英国全国の御 猟林から材木を切り出して販売し、湿原地を干拓し て農業生産力を高め、開墾した土地の賃貸で収入 を増やしました。こうした整備は、後の時代に高級 住宅街へと変貌し、さらに18世紀には「牛乳売り場」 として知られるようになる下地が築かれました。 また、国内の絹産業を奨励するため、狩猟園の 北側に黒桑の木を1万本植えました。養蚕の試みは 失敗しますが、桑の木はまだ数本生き残っています。 さらに西端にはロザモンド池、南端にはワニやゾウ、 ラクダや珍鳥を集めた動物展示場が設けられまし た。当時、この一角は宮廷のごく限られた人々が人 目を避けて会話するための閉ざされた空間としても 用いられました。それが現在のBirdcage Walkと いう通りになり、今もここに野鳥が多く生息するの はこの歴史的な流れによるものです。
フランス式庭園と
美食家の時代① (1660~88年)
17世紀半ばの清教徒革命の間、フランスに亡命 していたチャールズ2世は1660年の王政復古でロ ンドンに戻ると、戦乱で廃れた狩猟園をヴェルサイ ユ宮殿のようなフランス式庭園に改造しようとしま した。同地で覚えた球技パレ・マレを楽しむために 二つ競技場も作りました。それが現在のThe Mall と Pall Mall通りになります。さらに並木で囲まれ た運河とダック島を作りました。
このダック島で育てた鴨を囮 おとり (decoy)に使って 鴨猟をするようになりました。餌付けされた囮の鴨 は、野鴨を網の張られたデコイ・パイプと呼ばれる 狭い水路に誘導します。呼び寄せられた野鴨は水 路の奥で一気に、ほとんど傷のつかない状態で捕 まえられ、美食家チャールズ2世に鴨肉料理として 献上されました。また、Birdcage Walkに美しい 鳥が集められ、近くにイチジクや西洋カリンなどの 果樹園も作られました。
パレ・マレ競技場(左)と現在のThe Mall(右)
獲物を追い込むデコイ・パイプ(網のある水路)
詩人サン=テヴルモン
中央に運河、左下にロザモンド池、右下に 鴨場のあるセント・ジェームズ・パーク フランス式庭園と 美食家の時代② (1660~88年)
果樹園の名残、イチジクや西洋カリン
赤い屋根の家の場所が現在のダック島
17世紀英国のワイン瓶は玉ねぎ型で厚い
美食、美酒、美女に囲まれたバッカスの姿は チャールズ2世のよう
1662年、フランスからロンドンに迎えられた美 食家で詩人のサン=テヴルモンはダック島の管理を 任されました。シャンパーニュ産のワインに砂糖を 加えて2次発酵させると発泡性ワインになることや、 当時は珍味だったフォアグラの情報を王室に伝えた ようです。当時の英国製ガラス瓶は石炭火力で作ら れて厚かったため、ワインが発泡性を帯びても割れ ませんでした。ドン・ペリニョン修道士がシャンパ ン製造に成功する20年も前の話です。
この狩猟園の北西側にチャールズ2世は氷室蔵を 持っていました。夏にはパレ・マレの競技後に冷え た発泡性ワインと鴨レバーのパテを、冬には凍結し た運河でアイス・スケート後の鴨のオレンジ煮を女 性客と満喫したことでしょう。まさに近世の格言の 通り、美食の神ケレスと酒の神バッカスがいなけれ ば愛の神ヴィーナスは凍えてしまいます。
5
英国式風景庭園の登場 (18~19世紀)
1688年の名誉革命後、海外貿易が拡大し植物資 源の輸入や研究が進むと、庭園に対する考え方が変 わりました。それまでは線対称で幾何学模様とトピ アリーに囲まれたフランス式庭園を理想としていまし たが、クロード・ロランやニコラ・プッサンの描く絵 画のような田園風景を再現し、人々は多種多様な植 物が自然にあふれる英国式風景庭園に憧れるように なりました。
1728年からジョージ2世の王妃キャロラインが、 庭師ウィリアム・ケントやチャールズ・ブリッジマン と共にケンジントン宮殿の庭園とハイド・パークを風 景庭園に改造すると大評判になりました。「It’s got potential」(=伸びしろがある)が口癖の庭師ラン スロット・ケイパビリティー・ブラウンは、セント・ ジェームズ宮殿の庭園を改修した際、狩猟園にあっ た直線的な運河を埋めて、曲線を描く人工湖を提案 しました。でも予算がなく実現しませんでした。
ケイパビリティー・ブラウン氏とその傑作、ブレナム宮殿の庭 ロランやプッサンの風景画の例
ケイパビリティー・ブラウン氏の改造プラン(1770年)
限りなく自然を演出する英国式景観庭園
リージェンツ・パークからセント・ジェームズ・パークまでの 周辺を含めて大開発された(緑の部分)
幾何学的なフランス式庭園の例
1833年のセント・ジェームズ・パーク周辺地図
リージェント・ストリート。真っ直ぐな人生はつまらない
Episode 6
高級不動産開発の時代 (1811年~現在)
1760年から王室の不動産管理を任された政府 傘下のクラウン・エステートは1811年に摂政に就 任したジョージ4世に、ナポレオン戦争の戦費捻出 のため不動産開発を提案します。それがリージェン ツ・パークとセント・ジェームズ・パークを英国式 風景庭園に改造し、その周辺を高級不動産地区に 再開発する案でした。これが見事に大成功します。
この狩猟園はジョン・ナッシュやハンフリー& ジョージのレプトン父子の設計により、低木と花壇 の遊歩道に囲まれた自然美あふれる英国式風景庭 園に生まれ変わりました。1851年、王室不動産の 管理が財務省森林局から公共事業局に移されると、 一般市民も利用できるようになり、この狩猟園はロ イヤル・パークとして開放されました。
英国の 愛しきギャップを 求めて
英国に暮らして22年。いまだに日々のあらゆる場面で「へー」とか 「ほー」とか「えー」とか言い続けている気がします。住んでみて初め て英国の文化と人々が、かくも奥深いものと知りました。この連載で は、英国での日常におけるびっくりやドッキリ、愛すべき英国人たち の姿をご紹介したいと思います。
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フルーツ好きには天国(?)の英国 126
マクギネス真美 / mamimcguinness.com
在英ライフコーチ/編集者/ライター。2003年渡英。英国の食、文化、 人物、生活などについて多媒体に寄稿。ポッドキャスト「The Real You with Mamita」とVoicy「英国からの手紙」のパーソナリティー。
英国人義母に習い英国料理の研究もしている。
75 種類のテンプレートから選べる !
縦・横型のデザインからお好みの表紙 / 書体 / メッセージを お選びいただけます。E-cardの制作も承ります。 グリーティング・カードの 制作を承ります。
20代~30代のころ、「好きな食べ物は?」と聞かれると、「フ ルーツ」と答えていました。実は焼肉とかウナギとかも大好き だったのですが、でも「一生それだけを食べることになってもい い」というくらい好きだったのは果物です。
学生ビザで渡英した当初、アルバイトはせずに貯金を崩しな がらのケチケチ生活を自分に課していた私は、学校に行くときの ランチを自分で作っていくことがほとんどでした。そのとき、サ ンドイッチやおにぎりに必ずといっていいほど添えていたのがバ ナナやリンゴ。もちろん果物好きということもありましたが、も う一つには、英国では果物が手頃な値段で買えるという理由も ありました。特にリンゴやバナナは1袋に6~7個入っていて1 ポンド足らずという安さ。リンゴは種類も多く、毎日のようにこ れらの果物にお世話になっていました。
とはいえそれは20年以上前のことなので、毎日お弁当に果物 を持っていっていたことはすっかり忘れていたのですが、今年に なって、日本からYMS(ユース・モビリティー・スキーム)で 英国に来て暮らしている方たち数人に会う機会があり、この思 い出が蘇ってきました。
というのも、若き在英日本人の方たちに英国暮らしの良いとこ ろを質問すると、人が親切とか、美術館が無料といったことに 加えて、誰もが口をそろえて「果物が安い」と答えてくれたから です。物価高の英国生活において、唯一といっていいほど贅沢 できるのが果物とのこと。
それを聞いて、あらためてスーパーの果物売り場やファーマー ズ・マーケットに行ったときの、この国の果物の種類の豊富さを 思い出すのと同時に、以前、連載コラム「英国の口福を探して」 で英国の食べ物を紹介していたときには、果物を使ったお菓子 をたくさんご紹介したという記憶がよみがえってきました。
さすがにもうシーズンが終わってしまいましたが、夏の間、スー パーやマーケットには、ストロベリー、ラズベリー、ブラックベ リーといったベリー類がまさに棚からあふれんばかりに並んでい ました。そして、物価高の英国においてもいまだに1パック2ポ ンド程度でイチゴやブドウを買うことができます。また、ロンド ンであっても、時折、街角に立つストリート・マーケットに出て いる八百屋さんのストールでは、洗面器のようなボウルに、リン ゴやミカンなどの果物が山盛り1ポンドで売られているところも ときどき見かけます。夏のベリー類や秋のリンゴなど、英国産の 旬の果物が出回るのは一時期だけで、多くは海外から輸入され た果物という面もありますが、英国はフルーツ好きにとっては天 国といえるかもしれません。
お問い合わせ
英国ニュースダイジェスト営業部 info@news-digest.co.uk
2025年秋以降、欧州旅行はこう変わる!
新システム「EES」導入で
入国手続きが一新
2025年10月12日から、新しい出入国システムEES(Entry/Exit System)がシェンゲン協定加盟国で導入された。これにより、これまで 旅行など短期滞在時に入国審査で押されていたパスポートのスタンプは 廃止され、出入国の記録は全てデジタルで管理される。長らく導入が注目 されているETIASとはまた別の制度なので、混同に注意しよう。
参考)www.gov.uk/guidance/eu-entryexit-system
EES導入により、欧州旅行者は到着時に顔写真と指紋を登録する。その データは最大3年間保持されるため、再入国時の手続きは簡略化される。 また、これまでも「180日の間で通算90日まで」というシェンゲン協定加 盟国内の滞在制限は存在していたが、従来のスタンプによる管理よりも厳 密にシステムでカウントされる。日数超過は即座に把握されるため、観光・ ビジネスいずれの場合も滞在計画には十分注意したい。
EESの制度そのものは全旅行者に共通するが、英国から出発する人と、 日本から直接訪れる人とでは注意すべき点に少し違いがある。
英国在住者が欧州を旅する場合
シェンゲン協定の短期滞在ルール
英国はEUを離脱したため、英国人や英国在住者であっても、シェンゲン 協定加盟国に入る際は日本から直接来る旅行者と同じルールが適用されて いる。滞在は従来通り「180日の間で通算90日まで」に限られるので、出 張や旅行を繰り返す人は必ずカレンダーなどで日数を管理する必要がある。
EES登録は出発前に英国側で行う
特にロンドン在住でパリやブリュッセルなどへ週末旅行を繰り返す人は 要注意だ。ユーロスター(ロンドン・セントパンクラス駅)、ユーロトンネル (フォークストン駅)、ドーバー港などから出発する場合は、EESの登録が 英国出発地で行われるため、出発時間の2〜3時間前までに到着を求めら れる可能性が高い。日本人だけでなく英国人も登録が必要なので、初回は 長時間の行列を覚悟しておきたい。ただし1度登録を済ませれば、データは 3年間有効で、次回以降は照合がスムーズになる。
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到着時に生体情報を登録 最初の入国時に到着した空港や港の入国審査場で指紋・顔写真の登録が 行われるため、手続きに時間がかかる可能性がある。特にパリやフランクフ ルト、ローマなど主要空港は長蛇の列が予想される。乗り継ぎ便の利用者 は、余裕を持ったスケジュールが必要だ。日本から行く場合も3年間有効で、 次回以降は照合がスムーズになる。
シェンゲン協定加盟国とは シェンゲン圏(Schengen Area)は、国境検査を廃止し、人の 自由な移動を可能にした欧州の国々を指す。EUと重なる部分は 多いが、完全に一致するわけではない。
● シェンゲンに参加しているEU加盟国 オーストリア、ベルギー、ブルガリア、クロアチア、チェコ、デ ンマーク、エストニア、フランス、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、 イタリア、ラトビア、リトアニア、ルクセンブルク、マルタ、オ ランダ、スウェーデン、スペイン、ポルトガル、スロバキア、ス ロベニア、フィンランド、ポーランド、ルーマニア
● EUに加盟していないがシェンゲンに参加している国 ノルウェー、スイス、リヒテンシュタイン、アイスランド
●EUだがシェンゲンに入っていない国 アイルランド、キプロス
﹁ 今 ﹂
クラシファイドの受け付け締切り日は下記の通りです。
1686号(11月6日発行)掲載:10月30日(木)正午締切り 1687号(11月20日発行)掲載:11月13日(木)正午締切り
The next deadline for Issue No.1686 (6 November edition) is at noon on 30 October Issue No.1687 (20 November edition) is at noon on 13 November
Recruitment
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TEL: +44 (0) 20 7034 7575
newsdigest-group.com 制作実例は下記ウェブサイトをご覧ください 発行元 Eikoku News Digest Ltd. Published by 85 Tottenham Court Road, London W1T 4TQ
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● デザイン制作(パンフレット/ポスター/ 展示会用バナー/名刺/販促品/ロゴ) ● 印刷業務
From Staff
誌面発行、ウェブサイト運営の強みを生かし、ディレクション/進行、デザイン、編集、校正まで、 それぞれのプロフェッショナルがチームを構成し、ご希望内容の実現に向けて細かいご要望にもお答えします。
リーフレット/ パンフレット A5・A4ほか
多種多様なご要望に柔軟に対応!
名刺(ショップカード)/ メニュー 名刺85 x 55mm
ロールアップ・バナー W800mm x H2000mm
カレンダー A5 / 7ページ、台紙付き
使いやすいサイズの卓上用テン ト・カレンダー。上記以外のス ペックも可能です。
一枚ものから、折り・中綴じパ ンフレットまで、様々な制作物 に対応いたします。 ウェブサービス
ウェブサイト制作(CMS構築)、 既存サイトの定期的な更新作 業、保守・管理、また包括的な SEO施策も提供します。
思わず手に取りたくなる名刺 やショップカード、見やすいメ ニューなどをご提案します。
展示会などで集客効果が期待で きる看板。バッグが付いている ので持ち運びにも便利です。
ロゴデザイン
コンセプトを的確に表現する ロゴをご提案。デザイン数に応 じて、お見積りいたします。
動画作成 / 編集
撮影、編集までワンストップで 対応。既存の動画に字幕をつけ るなどの編集も承ります。
イラスト/アイコン
ビジュアルでダイレクトに訴え ることでPR効果は増大。ご要 望に添ったオリジナリティー溢 れるイラストをご提案します。
印刷 代行執筆・取材
イギリス、ドイツ、フランスに 常駐している編集部員・ライター が雑誌、ウェブサイト用の取材、 記事執筆を承ります。
持ち手の長さは手さげ型の ショート、肩から下げるロング からお選びいただけます。
サイズや紙質、コーティング加 工など様々な印刷を承ります。 印刷のみのお見積もりもお気軽 にお問い合わせください。
エコバッグ W380mm x H430mm 広告代理業
弊社メディアへの広告掲載以外 にも、他媒体への広告代理も 承っております。実績例は英国 現地媒体、日本の旅行書籍など。