



mokmok -もこもこ-
mokmok -もこもこ-とは、木材のおおらかさやぬく
もりで部屋を覆いつくす「帯」から生まれる曖昧模糊 (あいまいもこ)な「空間」です。
元々この部屋には、目線を遮るように大きな棚がいく つも置かれていました。そのため、同じ研究室メンバー でありながらも互いが何の作業をしているのかも分か らないような状況でした。
また、研究室という場所の特性として、人数の増減が
あることについても部屋をうまく使えているとは言え ませんでした。
そこで、みんなが共有する1つの大きな帯で空間を作 り境界を曖昧にすることで、学生が思い思いに場所を 選び作業出来る空間としました。
大学内の6階に位置する研究室(6,960mm×6,100mm)という こともあり、各部材を持ち運べる大きさへ分割出来ることが制 約のひとつでした。
しかし、これがメンバー全員で施工するきっかけとなり、自
分たちの力で空間を作ることに繋がりました。
天板は杉の無垢材(1,820mm×910mm)を「shopbot」と呼ばれ る機械を利用して切り出しています。学内で塗装を行った後、
契りにより各天板を連結させることで1つの大きな「帯」が生 まれました。
山側(南)は窓越しに森を眺めることができ、緩やかな曲線 が周囲のおおらかな風景と呼応した空間となっています。
部屋の真ん中には、親豆・子豆と名づけられたテーブルが置か れており、MTGやお昼休憩の際にも利用ができます。
また、帯と親豆・子豆のテーブルの高さをそろえたことで、 空間にすっぽりとはまる感覚が生まれ、落ち着いて作業ができ るようになっています。研究室という小さなスケールならでは の感覚なのではないかと思っています。
天板: 杉無垢t=24
梁:38mm×89mm
棚: 構造用合板t=24
Scale 1:30
Scale 1:100



周りの風景のようにおおらかに部屋を覆っていく帯は、「空間」における人の集まり を限定的なものにせず、密になったり、緩かったり。様々な風景を生み出します。

Shiba-Labに残り続ける空間・文化のアーカイブ

以前の研究室の様子。
ここから、残すものと廃棄するものを決め ていきました。
並行して、デザイン案検討のため研究室内 のあらゆる寸法の把握を行いました。



2024-2025 冬春 phase2.デザイン案の検討




まずは1/50模型で案を出し合いました。
先生から出された条件は
・部屋全体が見渡せるようになること ・全体MTGが可能になること の2つでした。


細部の取り合いやデザイン、施工段階の検討を重ねる
当時、設計チームの中では1番評価が高いものの、施工の難しさや予算 等の観点から実現は難しいと思われていた案を選んでもらいました。基本 設計の段階では天板のデザインしか出てきておらず、ここから家具として 成り立たせるために検討することが数多くありました。
設計演習とは違い実際に使うものとして考えると、勉強になることが多 くありました。

1/10模型で構造を検討していく






天板やちぎりの色は、研究室メンバーによっ て実験が繰り返され、決められていきました。
当初の予定では、1色のみで塗装する予定 でしたが思ったより濃く色が出てしまい塗装 担当者だけでなく、加工担当者も集まりどう したものかと考えたのもいい思い出です。
天板のサンプル色が棚の壁面に一部残され ています。





① ② ③ ④
①大女優‐瓜生田‐誕生の予感?? ②たくさん削ってくれました。ありがとうヤスリ組! ③合言葉は「動線大事」「材はまたがない」の塗装担当たち ④春を感じながら気持ちよく作業できました!
①床掃除。研究室こんなに広かったっけってみんな言ってた
②作業してる吉田くんを撮る山崎さんを撮ってた田原さん
③少しずつ立ち上がっていく光景を思い出すと感慨深い!
④先輩感出してるけど、隠れてポケポケしてた川瀬さん(笑) と、しごかれてる宮本






coffee -豆shiba-
建築学生は徹夜の際によくコーヒーに出逢います。 私たちにとってかかわりが深いコーヒーを、プロジェ クトが動き続けるこの研究室で一息つく為のツール として実装していこうと考えました。
これから先、贈与の関係で豆を巡らせていけたら いいなと思案しています。











片付けはまだまだ続きます(笑)


mokmok-もこもこ-の設計チーム 左から順に岡部・吉野・吉田・江崎
Phase1責任者:川瀬 由悟・西森 優翔・宮﨑 尚紀・山﨑 陽生
Phase2・3責任者:江崎 彩乃・吉田 和生・吉野 歳人・岡部 倖介
Phase4責任者:吉野 歳人
施工:大分大学 理工学部 柴田研究室(通称 SHIBA-lab)
修士2年 江崎 彩乃
川瀬 由悟
西森 優翔
宮﨑 尚紀
山﨑 陽生 吉田 和生
修士1年 吉野 歳人
学部4年 瓜生田 玲奈
岡部 倖介
篠原 瑠璃子
田原 奈々
中田 陵介
本田 基樹
宮本 颯馬
施工協力:ひのさと48 P18.19
大分大学 理工学部 木質構造研究室 P20.21.22.24
ProjectBook編集: 江崎 彩乃・吉野 歳人
-謝辞このプロジェクトにご協力いただきました方々に感謝いたします。